「キャプション by Hyatt なんば 大阪」は、大阪市の難波にあるホテルです。管理人である私が過日宿泊しましたので、客室・館内の雰囲気・朝食を中心に宿泊レポートをお伝えします。
ホテルの概要
「キャプション by Hyatt なんば 大阪」は、2024年6月12日に新規開業したホテルです。ハイアット系列のブランド「キャプション」の世界で3館目、日本初上陸のホテルです。
キャプションは地域密着型のカジュアルブランドで、その土地の情緒や特徴を様々な形で館内に反映させています。
ホテルの雰囲気は正にマリオットのモクシーです。モクシー大阪本町や新梅田に泊まった事がある方であれば、訪れた時に納得されると思います。
ここでお伝えしなければならない事があります。このホテルでは現金が一切使えません。完全キャッシュレスのホテルです。
住所 | 〒542-0073 大阪府大阪市中央区日本橋2丁目7番5号 |
---|---|
部屋数 | 167室 |
バリアフリー | 対応 |
付帯施設 | フィットネスジム、コインランドリー、カフェ |
チェックイン | 15:00~ |
チェックアウト | 11:00 |
ホテルのエントランスから入って直ぐのところにレセプションがあります。こちらでチェックイン・チェックアウトの受付が行われます。
専用端末が設置されており、こちらで手続きが行えるようですが、私が何度か宿泊した際には全てスタッフさんが処理を進めてくださいました。
レセプションとカフェ「トークショップ」は繋がっている、というより一体となっています。大きなホテルではないので、限られた土地でも広く感じさせられるように有効に活用しています。
この1階が朝食会場やカフェとなり、7時から22時まで営業されています。
取り扱いメニューや営業形態が変わることがあるので、宿泊の際に最新情報をチェックしてください。
エレベーターは2期あります。11階まで客室があるので、少し待ち時間が発生することがあります。その内1基は車いす対応です。
エレベーターは、カードリーダーにルームキーをかざして任意の階のボタンを押す方式です。
スーツケースを持ち込む宿泊客を想定してか、エレベーター内は広く大きい作りです。
モクシーのように遊び心のある演出は無く、実用的なエレベーターです。
館内設備
フィットネスジムは2階にあります。有酸素マシン・ダンベル・バランスボールなどアイテムは多くありません。
同じく2階には有料の洗濯乾燥機があります。コインランドリーでは無く、キャッシュレスランドリーです。paypay、d払い、aupay、Rpayなどに対応しています。
2台しかないので、混み合って思うように利用できない可能性があります。実際に何度かその場面に遭遇しました。
製氷機は1階にあります。電子レンジは今のところありません。
客室構成
客室の種類 | 部屋数 | 広さ |
---|---|---|
スタンダードルーム | 161 | 20㎡ |
デラックスルーム | 6 | 30㎡ |
客室構成はスタンダードとデラックスの2つに大別されます。
スタンダードルームには、クイーン、ツイン、シティービュークイーン、シティービューツイン、アクセシブルの5タイプに分かれています。
一方のデラックスルームは、シティービューキングとツインの2タイプがあります。
どの部屋もバスタブの無いシャワールームです。また、シャワールームとトイレは分かれています。
立地やアクセス
最寄り駅は、近鉄と地下鉄堺筋線の「日本橋駅」です。そこから南に真っすぐ移動して約4分のところにあります。地下鉄御堂筋線やJR線からも徒歩圏内です。観光拠点として優れています。
ちょっと遠出にはなりますが、ここを拠点に奈良や和歌山に観光も十分にできます。
黒門市場は信号を1つ渡れば辿り着けます。大阪の大商業地区である難波や心斎橋へも歩いて直ぐのところにあります。
ホテル裏側は酒場が多く、お酒好きにはまたとないホテルでしょう。
グローバリスト特典
ハイアットのホテル会員プログラム「ワールドオブハイアット」のグローバリスト特典は以下の通りです。
キャプション大阪において利用出来た特典
- 無料の朝食
- レイトチェックアウト
- 客室のアップグレード
朝食特典は朝食プレート自体のみで、朝食内容のアップグレードを選ぶ際は追加料金が必要です。レイトチェックアウトは16時まで利用出来ました。客室のアップグレードは、通常の部屋からシティービューへのアップグレードが行われました。
一方で、アーリーチェックインは使えていません。基本は金・土・日に宿泊しましたが、どの日も客室に空きが無く、通常通りの時間のチェックインしか認められませんでした。インバウンド客が異様に多いためだと思われます。
客室の紹介
今回ご紹介するのは、シティービュークイーンです。
シティービュークイーン
客室廊下だけでなく館内の多くの場所で群青色が使われ、落ち着きの中に闊達さを感じさせてくれます。
客室に入ると、大きく無い客室にぎゅっと詰め込まれた様々な備品が視界に入ってきます。
客室内通路は20㎡の部屋の割には幅広にとられています。先に触れたように、スーツケースの持ち込みを想定しているのでしょう。これが数字以上に部屋が広く感じられるように作用しています。
姿見は全身を隈なく映してくれます。
ハンガーかけとしても使える多目的のフックは、刀の鍔を模したかのような造形です。外国人が喜びそうです。
客室ドア付近には靴ベラとブラシがかけられています。気付き辛い所にあります。
自分はドアの開け閉めをした際の風圧による、靴ベラとブラシがこすれる音で存在に気づきました。
次はウェットエリアをご紹介します。
ウェットエリアは照明でしっかりと照らされて圧迫感を感じさせません。大阪弁の「なんでやねん(nandeyanen)」を画題としたイラストが良い味を出しています。
洗面所の鏡はまるで巨大な化粧鏡のようです。縁のLED照明の光量がしっかりとあって気分が軽くなります。
壁紙に施されたアートが角度によって鏡に映るようになっています。
洗面台は奥行きが短く、顔を洗う際に頭を鏡に軽く当てたことが何度かありました。冷水から温水への切り替えは早かったのは好印象でした。
洗面台の端には、ハンドタオル、コップ、ハンドソープ、歯ブラシセット、ブラシが置かれていました。この後のアメニティ紹介の項で再度ご紹介します。
洗面台の下には、フェイスタオル、バスタオル、ドライヤーが置かれていました。
ドライヤーは「SALONIA」です。
トイレはTOTOのウォシュレットです。標準的な機能が備わっています。
シャワールームは狭いため、入る際はガラスドアを手前に引くように作られています。
そのため、ガラスドアと床との隙間が殆どないことと相まって、バスマットをドアで引き摺ってしまい不便な思いをする事がありました。
段差を小さくすることはとても良い事ですが、これは何とかならないものでしょうか。同じような経験がZentis大阪でもありました。
レインシャワーとハンドシャワーの2つがあります。色使いや設備を見てもモクシーっぽいです。
続いてベッドエリアを見ていきます。
シティービューの名が付く部屋は、通常の客室に比べて大きい窓ガラスが採用されています。そのおかげで部屋に開放感が生まれています。天井が高くとられている事もその一助となっているでしょう。
どの部屋も天井が高く設計されています。この辺りが一般的なビジネスホテルと違うところですね。
クローゼットやキャビネットは一か所にまとめられています。
水差し、アイスペール、カップ、スプーン、電気ケトル、ティーアメニティは冷蔵庫の上に既に並べられています。
部屋にペットボトル入りのミネラルウォーターはありません。水差しを持って、各階に設けられたウォーターサーバで給水しましょう。
個人的に色々と因縁のあったドメティックの冷蔵庫はちゃんと冷えていました。
クローゼットの壁に貼られたイラストシールが、何をする空間なのか分かりやすく伝えてくれます。
いや、別にイラストが無くても分かる。
ハンガーレールの端は刀の柄のようになっています。もちろん抜けません。
ハンガーは十分すぎるほど沢山ありました。ハンガーと一緒にアイロン台もかけられています。
アイロン台の下にある引き出しには、アイロンが収納されていました。
ハンガーラックの下は荷物置きです。壁に傷がつかないようにガードがあり、荷台も傷つかないように保護具が付けられていました。
荷台の下はセキュリティボックスとスリッパがありました。
セキュリティボックスの隣の引き出しにナイトウェアが入っていました。
上下が分かれたセパレートタイプです。生地はちょっと固め、ホテル名であるCaptionの青い刺繍がアクセントとなっています。
クイーンサイズのベッドは、1人で寝る分には余りある大きさです。寝返りは打ち放題。
ベッドボードのイラストは黒門市場の活気を表現しているそうです。
ベッドボードには照明の各種スイッチが設置されています。電源コンセントと充電用USBジャックもあります。
大型のパナソニック製液晶テレビはキャスティング機能付きで、U-NEXTやPrimeビデオといった動画配信サービスをスマホからテレビへ映し出すことが出来るので、配信サービスの会員の方は直ぐに楽しめます。
外資であるハイアット系列のホテルということで、CNN、BBCといった海外チャンネルの視聴も可能です。
コルクボードにテレビリモコンやメモ用紙が備え付けられています。ボードには空白があり、画鋲で何かを張り付けたい衝動が湧いてきましたが、そんなことをしたら怒られそうです。
ベッドボード、館内の椅子やテーブルは海洋プラスチックごみや古着のリサイクル素材を用いて作られており、環境負荷の低減に努めているホテルの意向が見てとれます。
ホテルのある大阪府道102号恵美須南森町線は交通量が多く、上層階にまで街の脈動がある程度伝わってきます。
土曜日の夜更けは下のバーの喧騒が気になることがありました。
田舎の人間である私からすれば、都会を感じる一時でもありますが。
夜になると照明によって陰影がはっきりと表れ、昼間とは少し異なる穏やかな空気が流れます。カーテンは2種類のロールカーテンがあり、完全に遮光が出来ます。
隣接する客室や上階からは殆ど音は響いてきません。流石に笑い声やお子さんの泣き声は多少は聞こえる事がありますが、ビジネスホテルのそれとは比較にならないほど静かです。
バスマットの件と洗面台の奥行きが狭いことを除けば、遊び心に溢れる陽気な雰囲気で快適に過ごせる部屋でした。
アメニティ
客室内には、歯ブラシセットとブラシ、ティーアメニティがあるのみです。それ以外の必要なものは1階レセプションにあるアメニティボックスから調達します。
用意されているアメニティは以下のものです。
- ボディタオル
- カミソリ
- ヘアバンド
- コットンセット
- マウスウォッシュ
- 綿棒
- クレンジングジェル
- 洗顔料
- 乳液
- 歯磨き粉(これは客室内に有り)
ティーアメニティは、ドリップコーヒー・紅茶・緑茶です。
朝食
キャプション大阪の朝食は、1階の「トークショップ」で提供されます。
レジカウンターで客室番号と名前を告げ、3種類のモーニングプレートからお好きな物を選ぶ方式です。ビュッフェではありません。
フードコートやハンバーガーショップで使うような呼び出しベルを受け取り、調理を待ちます。
ブレックファストプレートは次の3種類です。
- 生食パン サンドイッチプレート
- うまいもんベーカリープレート
- ええもんグルメプレート
ドリンクは下記から1つを選びます。
- コーヒー
- 紅茶
- アップルジュース
- オレンジジュース
利用客は殆どが外国人観光客です。宿泊したどの日でもアジア系の人が多いと感じました。日本人は2割を切っているのではないでしょうか。インバウンドの勢いはまだまだ強い様子。
ベルが鳴ったので受け取ってきました。これは「生食パン サンドイッチプレート」です。
野菜サラダ、ヨーグルトとドリンクはどのプレートも共通の内容です。
サンドイッチは、柔らかくて弾力のある食パンに卵焼きとベーコンを挟んだ出来立ての一品。
2つ目は「うまいもん ベーカリープレート」です。クロワッサンに、当日にカウンダ―で取り扱われているペストリーがセットになっています。
クロワッサンは、シティホテルに引けを取らないパリパリ食感です。食べ応えのある大きなサイズは満足感があります。
マフィン、スコーン、シフォンケーキはどれも美味しいのですが、どれも甘くて朝食というよりおやつのような感覚でした。
3つ目の「ええもんグルメプレート」は、スープもしくはライスにたこ焼き、出汁巻き卵、小鉢にドリンクが付きます。
ええもんグルメプレートは追加料金を払うことで内容をアップグレードすることが可能です。通常はライスかスープですが、今回は別途800円を支払い「国産牛ステーキ丼」を選びました。
注文を受けてからミディアムに焼き上げられた国産牛は、おそらくヒレ肉でしょう。脂肪分が少なくきめが細やかで、朝でもモタレない食べやすいものでした。
おろし醤油ソース、大葉、わさびとお肉の相性が良く、無心に箸が進みました。思いの外お肉と御飯の量もあって、見た目は小ぶりな丼であってもとても満たされました。
このように3種類(内1つは追加課金あり)の朝食をご紹介しましたが、不満点を言えば値段と内容が釣り合っていないことです。
2024年9月時点で、この朝食メニューは2,400円と強気の設定です。先の国産牛ステーキ丼に至っては3,200円です。海外であれば普通なのかもしれませんが、日本生まれ日本育ちの人間からすれば中々受け入れ難いものでした。この金額であれば、せめてドリンクのお替りぐらいは付いていてもいいと思います。
小学生くらいのお子さんが「これだけ?」と呟いていたのが忘れられません。
クチコミ
各予約サイトにおける、キャプション大阪のクチコミやレビューを確認してみましょう。
予約サイト | 評価(執筆時) | 口コミ |
---|---|---|
楽天トラベル | – | |
じゃらん | – | |
一休.com | – |
上記のいずれの国内サイトもクチコミの投稿数が少なく、点数を表示する水準に至っていません。
外資系予約サイトのホテルズドットコムだと、いくつかクチコミが掲載されています。施設の新しさや斬新なデザインが評価される一方で、ホテル前を通る大通りの騒音が気になったとの声が散見されました。シティービューの客室の場合は、階層が高い場合でも音がそれなりに聞こえてきたので、下の階層ならなおさらでしょう。
まとめ
他のホテルには無い個性が光るホテルは、東西南北どちらに向かうにも便利な観光に適したホテルでした。室内装備は標準的ながら最新のもので快適に過ごせます。
ただ、市内中心部であり観光地といった立地上、どうしても賑やかさの弊害はあるようです。それを受け入れられればより満足感は得られるでしょう。
一方で、ハイアットグループといえどあまりに高い宿泊費用と朝食代は甘受出来ません。もう少し値段に見合っていれば評価が変わります。場所とホテルのタイプは変わりますが、価格帯が近いハイアットプレイス京都の構成の良さが際立ちます。
開業してから日が浅い当ホテルの今後の発展を期待します。
- 観光やビジネスに適した立地
- 最新で標準的な客室装備
- 高い宿泊料金
- 高い朝食料金
- 大通り沿いの部屋では外の音に悩まされる可能性
コメント