枳殻邸別館は京都市下京区にあるホテルです。
オープンして間もない2021年の11月に「和ツインB」に実際に宿泊しましたので、お部屋、ラウンジ、朝食を中心に紹介します。
この記事で分かる事は以下の通りです。
- 枳殻邸別館のおすすめポイント
- 客室「和ツインB」の詳細な情報
- 美味しい和朝食の内容
枳殻邸別館の概要
ホテルの特徴
枳殻邸別館は2021年10月26日に開業したホテルです。ホテルの隣には東本願寺渉成園(枳殻邸)、西側には東本願寺や京都タワーと観光に適した場所にあります。
ホテルの読み方は「きこくてい べっかん」です。
住所 | 〒600-8151 京都府京都市下京区間之町通上珠数屋町下る打越町317番地 |
部屋数 | 13室 |
チェックイン・アウト | チェックインは15:00から、チェックアウトは11:00 |
京町屋の佇まいでありながら、館内は現代的で最新の設備を備えたスモールラグジュアリーホテルです。客室内には多数の京唐紙があしらわれるだけでなく、客室ごとにテーマが違い、それぞれ異なる気品ある趣を作り上げています。
客室は以下の通りです。
- 和ツインS(33㎡)
- 和トリプル(35㎡)
- 和洋ツイン(42㎡)
- 和ツインB(37㎡)
- 和ツイン(42㎡)
全13室から成る客室は5種類に分かれ、一人旅、友人・家族旅行など目的や好みに応じた部屋を選ぶことが出来ます。それぞれ部屋は余裕のある間取りとなっており、部屋で過ごす快適さを重視していることが分かります。
客室数が少ないために、比較的人との遭遇が少なく、時節柄、過ごし易くもあります。
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アクセスや立地
京都駅から歩いてたどり着ける距離です。東本願寺が見えたら東に向かって歩くと直ぐに着きます。
広大な庭園である渉成園の側にあるので、それを目安とするといいでしょう。
近隣に東本願寺があり、少し歩けば地下鉄の五条駅、京都駅、東に向かうと京都国立博物館や三十三間堂があるので観光の拠点として便利です。
- アクセス方法は?
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京都駅中央口より徒歩約8分。京都駅前側の東洞院通りを北上すると右側に渉成園が見えるので、その隣です。
タクシーの場合、運転手さんに「間之町(あいのまち)通り七条上がる東側」付近と伝えれば近くまで行けます。
- 駐車場はありますか?
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専用駐車場はありません。近隣の有料駐車場をご利用ください。
ホテルアメニティ
- ホテルアメニティは何がありますか?
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- シャンプー
- コンディショナー
- ボディーソープ
- ハンドソープ
- 歯みがきセット
- ヘアーブラシ
- 化粧品セット
- コットン セット
- かみそり
- パジャマ
- バスタオル
- フェイスタオル
- お茶
枳殻邸別館のおすすめポイント
ウェルカムドリンク・ラウンジサービス
到着してチェックイン手続きを済ませると、フロントの隣のラウンジでお茶とお茶請けが振舞われました。お菓子は京都の人気のお土産「阿闍梨餅」です。餅粉をベースにした生地で丹波大納言小豆を包んだ和菓子で、お茶に良く合います。
ホテルを訪れたのは冬の訪れが近い季節だったので、寒空の中で冷えた身に熱いお茶が沁みました。ホテルの方との談笑もあって、到着して早々暖かいおもてなしが嬉しかったです。
このロビーラウンジは朝食の会場として使われるだけでなく、宿泊者に対して12:00から24:00まで使えるラウンジとして開放されています。シティホテルのようにお菓子などは並びませんが、お茶とコーヒーが用意されています。
製氷機の代わりに、氷がキッチンカウンターに用意されています。
デロンギのエスプレッソマシンで作るコーヒーは良い豆だったのでしょうか、味わい深いものでした。いずれにせよ、ラウンジが利用できる点は有り難いサービスです。
感染症対策のため、サービス内容が変わる可能性があります。ご留意ください。
京都らしさを感じられるデザイン
ホテルは京都の町家をイメージして作られています。外観だけで無く、館内や室内の調度品の数々にこだわりの京都の逸品を随所に配置し、京都らしさをしっかりと感じ取ることが出来ます。
客室フロアとフロントフロアを区切るセキュリティードアは無機質なものでは無く格子戸となっています。フロント側が外、客室フロア側が内という意匠と認識しました。ここから各部屋へと繋がります。
どれもメイドイン京都のものばかり!!
それでは早速、お部屋を見ていきましょう。
和ツインBの紹介
今回宿泊した部屋は和ツインB、2階のお部屋の203号室です。Bはバルコニー(balcony)を意味しているのだと思います。このホテルで2部屋しかありません。
床と天井の他、室内の至る所に贅沢に木材が使われていて、柔らかでぬくもりのある空間が広がります。天井、壁、床の各所の色合いや素材感が異なっており、メリハリの利いた飽きのこない室内です。ホテルの”泊まるでは無く、住まう”のコンセプト通り、自身の部屋と錯覚するかのようでした。もっとも、本当の自分の部屋は雑然としていて狭いですが。
客室に入ると眼前には大きな木製の両開き扉があり、その中はクローゼットです。
クローゼット周辺部はフローリングと異なり明るい色調の白材が使われていて、暗くなりがちなクローゼット内部を素材で明るく仕上げています。
ハンガー掛けにハンガーが8つ、衣類用消臭剤がかかっていました。
靴ベラとブラシ、そしてセキュリティボックスはクローゼット下部にありました。バゲッジラックも折りたたまれた状態で荷物を待ちます。
ホテルの気遣いが感じられた部分の1つは、前もってカードホルダーにカードが差し込まれていたことです。これによって客室内は空調が作動して適度な温度が保たれるので、夏や冬の厳しい気候の最中に部屋に入った時、明るく快適な室温で過ごせます。このようなサービスはスモールホテルならではと感じました。
次にベッドを見ていきます。どの部屋も寝心地の良いセミダブルサイズ(幅1,200mm)のツインベッドで構成されています。ハリウッドタイプで配置されているので、1人で宿泊する時はベッド同士の隙間を気にしなければ広々と使うことが出来ます。
ベッドスローがあり、ラグジュアリーな感じが出ています。
ベッドサイドにはシャープ製の加湿機能付き空気清浄機、そして館内情報が調べられるタブレットが用意されていました。新しいホテルでは紙製の館内案内の代わりとしてタブレットを導入しているところが多いですね。
ベッドボードには照明スイッチと電源コンセント、充電用USBジャックが備わった操作パネルがあります。間接照明などは調光可能です。操作パネルとベッドサイドテーブルはベッドの両脇に配置されていて、照明はどちらからでも操作できます。
スマートフォンなどの充電用ケーブルがあるので、就寝時にこちらを使えば朝にはしっかり充電が済ませられます。
ベッド近辺の照明については、寝転んだ時に落ち着けるよう、枕付近にはダウンライトを配さず間接照明が用いられています。壁紙が浮き上がる副次的な効果もあるようです。
京唐紙の壁紙のモチーフは梅の実や壺です。客室タイプ毎に壁紙の種類は違うので、泊まる度に新鮮な気持ちで過ごせそうです。
ベッドの向かい側にはテレビとロータイプのテーブルセットが配置されています。
テレビは東芝製レグザの4K液晶テレビです。ネットフリックス、youtube、abemaTVやアマゾンプライム等のアプリが予め組み込まれているので、各サービスの会員になっていれば簡単な設定の後に楽しむことが出来ます。
回線速度は上り下り共に速くて遅延も少なかったので、4K動画がストレス無く楽しめました。
背の低いテーブルセットは外の風景を眺める際に適しています。
部屋の奥には流し付きの化粧台があります。コンクリート打ち放しに続く、深い群青色のタイルが良いアクセントになっていますね。
この流しは電気ケトルに水を注ぐのに便利です。洗面所以外にこのような設備があるのは珍しいですね。
その横にある京都らしさを感じられる飾りはモダンな部屋に和を添えてくれています。
「よーじや」の小型の鏡台は手鏡が蓋となっている作りです。後方を確認するのに役立ちます。
ティーアメニティは祇園辻利の緑茶です。専用の湯呑みでいただく緑茶は一段と美味しく感じられます。
電気ケトルはバルミューダ製。部屋の雰囲気に実に合っています。
下の収納には冷蔵庫、それから化粧台として使うためのキャスター付き椅子が収納されていました。
洗面台側の壁にはハンガーフック、その下の衣類入れにパジャマとバス・ハンドタオル等が収まっていました。
パジャマはワッフル生地のセパレートタイプ。肌への触り心地は優しくさらりとしていました。
さらに奥に進むと2つのドアがありました。左側が浴室、右側がトイレです。
INAXのシャワートイレは人感センサー付きのハイグレードタイプです。人が近づくと便ふたが自動的に開きます。それから、手洗い器が併設されていました。
洗面所は間接照明と鏡に付属のLEDライト、スポットライトの組み合わせで明るく、影が出にくく身だしなみをきちんと整えられます。
ハニカム状のタイルは化粧台のものとは違った雰囲気を醸しています。
アメニティ類は洗面台の上に設置されており、どれもちょっと上質のものでした。さらに、女性向けにMIKIMOTOのスキンケアセットがプレゼントされます。
浴室はスクリーンロール付きの窓と洗い場、浴室のドアが透明であるためか、広く感じられます。2階なので、窓に近づかない限り外から見える心配はまずありません。
浴槽の長さは183cmの私が少し足を曲げて入られる大きさです。おそらく120cmほどでしょうか、あまり大きくはありません。しかし、オーバーフローが付いていないタイプなので、お湯をしっかりと溜められます。
洗い場は余裕のある広さで使い勝手は良いです。風呂椅子と洗面器が備えられており、しっかりとバスタイムを楽しめます。ドアは奥まで押し込まないと閉まらず、作りも若干安っぽいのが残念でした。
シャワーは通常のシャワーだけ。バスアメニティはミキモトコスメティックスです。人気のあるバスアメニティですが、ボディソープの肌への刺激がやや強いと感じています。
部屋に戻って、他の部分も確認していきましょう。
空調設備はダイキン製の天井埋め込み式のエアコンです。とてもパワフルで、一台でこれだけ大きな空間であってもしっかりと室温が維持されていました。音は一般家庭のそれと大差ありません。
障子とガラス窓との間にはブラインドがあり、これを使えばしっかりと日光を遮ってくれます。
そして、この部屋の最大の特徴であるバルコニーを見てみましょう。
バルコニーの手すり壁は透明で景色をあまり遮りません。椅子とテーブルがあり、例えばコーヒーを持ち出して寛ぐことが出来ます。
手摺りまで近づくと、渉成園の職員用駐車場がしっかりと見えてしまい、風情が無くなるのでNG。
用意されている椅子に座り、外を眺めるのがここでの正しい過ごし方のようです。初冬の寒空の下、鳥の囀りばかり聞こえる静かな朝に飲むコーヒーは格別でした。
枳殻邸別館の朝食
朝食は先に紹介した1階のロビーラウンジで頂きます。チェックイン時に前もって時間を指定するようになっており、混雑を避けられるようになっています。
一番遅い時間帯に予約していたので、既に他の宿泊客は食事を済ませており、図らずもロビーラウンジを独り占めしました。
朝食は和朝食を選びました。この時は洋朝食も選ぶことが出来たのですが、現在は和朝食のみとなっているようです。
献立はここをクリックすると表示されます。
- 京野菜
- だし巻き卵
- 焼き魚
- お麩の味噌田楽3種
- すり身の煮つけ
- 漬物
- 小鉢3種
どれも京都の朝食らしさのある品の数々です。
焼き魚は西京漬けのような、みずみずしくしっとりとして柔らかな鮭。お麩はモチモチとしていて弾力のある食感が面白く、3種類(ごま・よもぎ・あわ)がそれぞれ個性があり楽しめました。だし巻き卵は出汁を豊富に含んでいて、切れ目を入れるとじんわりと滲み出てくるほどで、どうやったら見目美しく焼けるのだろうと感心したことを覚えています。
1つ1つの料理は小ぶりですが、どれもしっかりとしたお味で白米と一緒に食べ進めると、すぐに白米のお替りが欲しくなりよそってもらいました。結果、おかずを完食する頃にはお腹いっぱいになりました。2回目のお替りを薦められましたが、流石にキツかったのでやんわりとご遠慮しました。お気遣いに感謝です。
野菜は自分で盛り付ける方式で2種類のドレッシングが用意されていました。パンが隣にあったので、デザート代わりにとコーヒーと一緒にいただくことに。別腹です。
席に着くと、スタッフさんがご厚意でアイスクリームを出してくださり、ごはんのお替りを断ったばかりでとても恐縮しました。種類はルビーチョコレートとのことで、チョコらしくない色合いなのに味覚はチョコそのもので不思議な感じでした。
お心遣いと共に美味しい料理を沢山頂きました。ありがとうございました。
枳殻邸別館の口コミ
枳殻邸別館のホテル予約サイトでの口コミによると非常に評価が高いようです。和モダンの客室、清潔さ、接遇サービスなど多くの部分で人気を博しています。
予約サイト | 評価 | 口コミ |
---|---|---|
楽天トラベル | 未評価 | 楽天トラベルの口コミを見る |
じゃらん | 4.7 | じゃらんの口コミを見る |
一休.com | 4.8 | 一休.comの口コミを見る |
枳殻邸別館の別館のまとめ
交通量の多い道路から一歩入った、静かな住宅地の中にあるホテルは設備および接遇ともに非常にすばらしいものでした。
室内は細部にわたり趣向を凝らされたデザインと快適な室内装備品(いくつかは高級ホテル並み)が配されているため、いつまでも居たくなる心持にしてくれます。
なにより、ホテルスタッフの方々の姿勢に素晴らしさを感じました。小規模ゆえに可能なことだとは思いますが、親身になって色々と対応してくださり感謝しかありません。ホテルの良し悪しを決める最大の要素は「人」であると強く思いました。
私自身としては、京都のホテルで上位に位置する優れたホテルです。ぜひご検討してください。
- ウェルカムドリンク・スイーツ
- ラウンジサービス
- 京都の風情が感じられる館内
- 豪華な設備(一部は高級ホテル並み)
- ホテルスタッフの方々の親身な接遇サービス
- 客室数が少ないので希望の部屋が取れない場合有り
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